ベトナムのテレビ局は全て国営であり、ベトナム国営放送であるVTVと呼ばれる全国放送局が6局、そのほか各地方局が存在している。テレビは多くの家庭で普及が進んでおり、洗濯機や冷蔵庫よりも優先的に購入するほどの人気を誇っている。「洗濯機が無ければ手で洗えばいい、近くの市場で新鮮な材料を買えるので、食料品を冷蔵庫に保管する必要は無い」というのが、一般的な理由だという。テレビの稼働率は高く、「家に帰ってまずすることは?」との問いには、「テレビをつけること」という答えが一番多い。ゴールデンアワーは18時−20時と土日の午前中とされている。その時間帯の放送で最近急速に増加したのが、ゲームショーと呼ばれる番組。応募者から出場者が選抜され、賞金目当てにクイズに回答する形式を採用するものが多く、「クイズ100人に聞きました」のベトナムバージョンなどもある。最高賞金額は番組により様々ではあるが、5000万ドン(35万円)〜1億2000万ドン(84万円)前後が一般的である。ゲームショーの人気は高い一方で、他の娯楽番組・ドラマが減少したと言われている。ちなみに、VTVでは96年にはたった1つのゲームショー番組しかなかったのだが、現在はVTV3といわれる1局のみで12ものゲームショーを放送している。ゲームショーと切っても切れないのが、各スポンサーのコマーシャルだが、それが過熱して問題視されている。番組内で過剰な商品アピールが行われる番組もあれば、コマーシャルになると突然大音量になる番組などもあり、苦情が多い。後者はコマーシャル対する音量の規制が無いことが問題なのだが、自主規制という歯止めなど存在し得ないベトナムでは、法律による規制が不可欠となる。18時〜20時までは衛生用品や外用薬に対する宣伝が規制されているのだが、これもなんと首相により決定・公布されていたというのには驚いた。
2006年にはWTOに加盟を果たし、急速な経済発展を続けるベトナムではあるが、経済が過熱して混乱してしまうことのないよう、秩序を守った発展を続けて欲しいと切に願うばかりである。




