ベトナム釣り事情

投稿者: web-master
1月 01 2006 年

 豊かなメコンデルタには、コイ、フナ、ナマズ、ライギョ、ウナギをはじめとして日本では想像のつかないような魚が泳いでいます。ベトナム人は釣りが大好きで、粗末な竹竿から糸を垂らし、日長一日釣りをしています。
今回はベトナムでの釣り事情をいくつか紹介いたしましょう。
●ホーチミン式ハッピー釣り
残念ながら、ホーチミン市周辺の自然の川・池はすっかり汚染され、魚がほとんどおりません。ゆえに、釣堀で釣りを楽しむほうが、ポピュラーです。入場料 VND20,000(約150円)を払うと、一日釣りが楽しめます。日本と著しく異なる点は、日本人とは比べ物にならないくらい、のんびり釣りを楽しんでいる事です。まず、釣堀には水上コテージが組んであり、家族、友達など1グループ単位で水上コテージを借りきり、そこから釣りをします。コテージは10人位の収容スペースがあるのですが、釣糸を垂れているのは、せいぜい1人か2人。他のメンバーは鍋やバーベキューを催し、ビールを飲みどんちゃん騒ぎをします。周りの迷惑も考えず、ラジカセを持ち込みベトナムの歌謡曲を最大ボリュームで楽しみます。そして飲み食いに飽きると、今度はトランプを使ったミニ賭博が白昼の最中始まります。ミニ賭博に一喜一憂し、それにも飽きると次はハンモックを吊るしてのお昼寝です。お昼寝が終わると、もう夕方、皆、満足して帰途に着くわけです。さて、肝心の釣りの成果は?・・・釣れても釣れなくても問題なし。つまり、釣りという単なる名目のもと、皆がハッピーに寛ぐことが目的で、それがホーチミン式の釣りなのです。
●ハノイ式ギャング釣り
ところ変わって、ハノイでは釣りに対する姿勢も方法も違います。皆が本気であります。家族で来る連中はなかなかおらず、男1人に釣竿1本の真剣勝負であります。
日本では一般に釣りの邪道として禁止されている「ギャング針」という大きな錨型の釣針を使います。この釣針の上部に糠味噌などの餌を塗り込み、ドボーンと水中に投げ込む。そして水中で魚が餌につられて寄ってきたところで一気に竿を引き上げる。最後にギャング針に魚の体を引っ掛け釣り上げるという工程です。引っ掛けられた魚は、体に大きい釣針が突き刺ささったせいか、大した抵抗もせずに水面に上がってきます。
「釣りは、魚が餌を食べて釣り上げるもの。魚の口に掛かった針が外れないようにうまく釣り上げる」という日本人の常識が見事覆される釣り方で、50CMはあろうかというコイを次々に釣り上げるのですから、侮れません。「いちいち、魚が餌を食い付いてくれるまで待っていられない!」というハノイの人達のせっかちな気質が表れているようです。
●上野駐在員式王様釣り
さて、最後は、ホーチミン市に駐在中の、私こと上野の釣り方をご披露致します。
まず、ホーチミン市より車で約1時間、まだまだ汚染されていない自然溢れる野池へ向います。用意するものは釣具一式とチョコレートなどお菓子類。
現地に到着し、釣りの用意を始めるや否や、「体のでかい日本人が来た」と、ベトナム人が興味本位で集まってきます。ここがコツです。集まって来た子供達に「エサになるミミズが欲しいんだけど・・」とチョコレートをちらつかせながらお願いすると、競争するようにミミズを取りに行ってくれ、たちまちのうちにミミズの山が出来上がります。しかし私はミミズを触るのが苦手。「ミミズを釣針につけて欲しいんだけど・・」とまたお願いすると、子供たちは、我先にミミズをつけてくれます。
魚がかかると、今度はすかさず網で魚をすくってくれて、当然のように魚を針から外してくれます。この状況になりますと、私の動作は「魚がかかれば竿を上げ、再び竿を下げる」という、手首の上下運動のみとなるのです。釣りに関わる面倒くさい作業が一切ありません。ホント、ベトナム人の子供達って、優しいー!?極め付けは、釣針が池底に引っかかった時。私が何も言わないのに、今度はベトナム人の大人がいきなり池にドボーンと飛び込み、池に潜って引っかかっている釣針を取ってくれました。(さすがに、私もこれには恐縮し、二度とやらないように言いましたが・・)釣りが終わると、釣れた魚は集まって来た人達にプレゼント。ついでに、大量のお菓子もプレゼント。「また来てねー」と皆に笑顔で見送られながら帰路につきます。何だか、一日王様になったような気分です。

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