ベトナムの結婚式

投稿者: web-master
12月 01 2003 年

 ベトナムでは、11月からベトナムの旧正月‘テト’にかけて、結婚式シーズンたけなわとなります。
特に年末が近づいてくるにつれ、あたかも新居を構えてから新年を迎えることが最高の幸せであるかのように、街のあちらこちらで一斉に結婚式が開催されます。人気のある式場は、吉日には半年も前から予約が一杯になるようです。
日本でも大吉など吉日を選ぶ習慣が根強いですが、ベトナム人は、我々の想像の域を脱するくらい、縁起を担ぐ民族です。今でこそ薄らいできましたが、ひと昔前までは身内に不幸があると、3年間は喪に服さなければならず、結婚なんて絶対許されないという習わしがありました。
結婚披露宴は、毎年縮小していく日本の事情と比べて、規模が大きく、普通の階級でも参加者300人から400人程度が集まります。また吉日を優先して日程調整をするため、平日であってもお構いなく開かれるため、招待客は祝い事を優先して、勤め先へ有給休暇の申請をする破目になります。毎年起きるこの現象はおめでたいことでありながらも、企業側にとっては悩みのひとつであり、頭の痛いところです。
さて当日、披露宴は、招待状に明記された時間より一時間程度遅れて始まることが多く、実際、誰も時間通りに来る人はいません。実質時間は、平均約1時間半程度です。会場の受付脇には、約80cm x 60cmサイズの写真パネルが飾られます。事前に晴れ着を身につけて記念撮影をしたのでしょう。華やいだ二人の笑顔が写っています。そしてその横で満面笑みの新郎新婦が出席者の方々をお出迎えするのが常です。新婦は結婚式ではアオザイ、披露宴ではウエディングドレスが一般的。
一方、新郎はどちらでもタキシードを着用します。また親族はネクタイもしくはアオザイを着用しますが、大方の出席者はノーネクタイ、普段着のままです。お客様は日本と同様、プレゼントやご祝儀を受付で渡し、記帳代わりの布や色紙にサインをします。ご祝儀の相場は2千円程度で、またプレゼントの多くは料理用の電化製品だそうです。割れ物は縁起が悪いのでタブーとされていますので要注意。受付を済まし、レセプション会場の丸テーブルに案内されます。1テーブルに座るのは約10名。その脇には数ケースのビールがすでに積まれていて、飲みに入る体制を実感するはずです。ここで最も重要なのはテーブル選び。一度酒飲みグループのテーブルにはまったてしまったら最後、まともな姿で帰途につけないと諦めたほうが良いかもしれません。
新郎新婦の入場後、お互いの親族が紹介されたかと思うと、早速ビールの一気飲みが始まります。やはりビールは、国産のタイガービールが主流。
そしてやおらカラオケ大会に移行します。ベトナム人の多くは、大のカラオケ好き! しばしば披露宴の主旨を忘れて‘マイク離サーズ’の人も見受けられます。もちろん、スピーチはありますが、非常にスピーディー。新郎新婦の父親、勤務先代表者、そして最後に新郎が担当するのですが、ほとんどは決まり文句の祝辞で2〜3分話す程度で終わります。
最後に最も驚いたこと! 会食が終わった途端、お客は次々と立ち上がり、さっさと会場を後にするのです。瞬く間に静まり返っていく会場を目の当たりにすると、「え! 締めの挨拶がないのに??」と日本人の常識では信じられない結末を迎えるのです。新郎新婦に失礼なのではないかとこちらのほうがヤキモキしてしまいますが、これはベトナムでは常識の常識。どこの国でも結婚式のような冠婚葬祭の場は、よくも悪しくもその国の文化性が凝縮されていると言えるのですね。

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